ジャックフルーツの人気は、私たちが大好きなファーストフードのハンバーガーやナゲット、朝食用ソーセージをより持続可能なものにする手頃な代替肉として世界の食品業界で高まっている。
私たちは何年もの間、豚肉の代用品としてじっくり煮込んだジャックフルーツをタコスに詰めてきたが、最近ではますます多くの消費者がこの肉厚なフルーツの魅力に気づき始めているようだ。
アジア諸国では何世紀にもわたって珍重されてきたジャックフルーツは、先進的な企業数社の努力により、肉の代用品として次世代に世界的なセンセーションを巻き起こしそうな勢いだ。

その先駆者であるジャックフルーツ・カンパニーは、早くからジャックフルーツの可能性に着目していた。ハーバード大学を卒業したアニー・リュウによって設立された同社は、新興市場の農業と食糧システムを変革するという彼女の使命から生まれた。
すぐに食べられる食事から、肉の代用品として設計されたジャックフルーツの塊まで、様々な製品を提供する同社は、ジャックフルーツにしっかりとスポットライトを当てている。
持続可能な方法で収穫されたジャックフルーツをインドから調達することで、ザ・ジャックフルーツ・カンパニーは健康的で用途の広い製品を消費者に届けるだけでなく、地元の農業コミュニティに収入を提供することで社会的インパクトを生み出している。

「私たちは、これまで存在しなかった、そして今では世界をリードする、奇跡の作物であるジャックフルーツの農場から市場までのサプライチェーンを構築しなければなりませんでした」と、リュウ氏はベジニュースに語っている。
「今日、私たちは、ジャックフルーツが自生し、最も豊富な産地であるインドに完全所有の子会社を持ち、何千もの小規模農家と直接提携し、彼らの年間収入の10〜40%に貢献しています。」
「私たちが市場に初めて参入した時、ジャックフルーツに見聞のある人は誰もいませんでした。そこで私たちは、本物の農家によって栽培された、偽造したものではない本物の作物であることを証明するために、営業に行くたびに実を丸ごと1個持って行きました。」
2022年現在、ザ・ジャックフルーツ・カンパニーは1,783の農家と協力し、合計516,677本の木を植え、28,000トンの二酸化炭素を吸収した。来年までに、これらの農家はさらに61,000本の木を管理する予定である。
代替肉としてのジャックフルーツの普及
リュウはインドを訪れた際、思いがけずこの熱帯果実が隠れ持つ可能性をみつけた。現在、彼女の会社は子会社のJack & Annie’sと共に、ジャックフルーツを使ったヴィーガンチキンウィング、ミートボール、プルドポーク、クリスピーチキンパテなど、食欲をそそる植物由来の食品のパイオニアとなっている。
最近、ファースト・カジュアル・レストラン・チェーンのスマッシュバーガーと提携したことで、同社のジャックフルーツ製品の認知度が高まった。ニューヨーク、ニュージャージー、コロラドのスマッシュバーガー店舗では、ジャック&アニーのジャックフルーツパティを使ったクラシック・スマッシュバーガーを期間限定で提供した。ジャックフルーツを使用した商品をメニューに取り入れたファスト・カジュアル・レストランは、この店舗が初めてである。

「スマッシュバーガーとわが社は質の高い素材と素晴らしい味を優先するという点で共通しているため、この提携は非常に時流にあっています。」とリュウ氏は言う。
「ジャック&アニーズは、味と品質で他社に勝っています。また私たちが使用する主要食材は、何千もの農家の生活を支える再生可能な樹木で育っています。」
現在リュウ氏は、スマッシュバーガーのような外食産業でジャックフルーツの存在感を飛躍的に高め、消費者の嗜好品がより持続可能なものとなることに注力している。
ジャックフルーツの商業的な可能性は、その環境面での信頼性に支えられている。ジャックフルーツの栽培は灌漑、農薬、肥料を必要とせず、樹木は生態系の再生に貢献する。それ故にジャックフルーツは他の多くの一般的な食肉代替作物よりも持続可能な選択肢となるのである。
リュウはまた、ジャックフルーツを肉よりも魅力的な選択肢にするための様々な方法を模索している。例えば、より幅広い人々にアピールするために作られたベジタリアン・ブレックファスト・サンドイッチ(本来はヴィーガンのためのもの)の商用化である。乳製品と卵の使用には環境的なコストがかかるが、リュウはこの新しいサンドイッチが肉中心のサンドイッチに対抗できることを願っている。
「味にも妥協しないため、特に現在の経済状況では消費者に負担を強いることになるコスト増を懸念していました。」とリュウは言う。「冷凍朝食のカテゴリーでは、巨大企業であるジミー・ディーンの低価格商品と競争しなければなりません。しかしこの競争は私たちの取り組みに興味がない巨大な消費者グループを肉食から植物由来の食に変化させる大きなチャンスであると分かっていました」。
この考えは、ある意味でリュウの個人的な軌跡と一致している。
「ブランドとして、できるだけ多くの消費者がより良い方向に向かうことを可能にしたいのです。」とリュウは言う。
「私はベジタリアンになる前はフレキシタリアンでしたし、その前はミートイーターでした。ですから、毎食肉を食べる食生活を本格的に肉を全く食べない食生活に変えることがどれほど大変なことかは知っています。私たちは消費者がその旅をする手助けをしたいのです。」

ジャックフルーツの世界進出
ジャックフルーツが受け入れられ、その可能性が広がるにつれ、植物由来の食肉産業は大きな変化を遂げようとしている。
市場調査会社Expert Market Researchによれば、現在3億1,170万ドルの世界のジャックフルーツ市場は2028年には3億8,096万ドルに達すると予想されている。アライドマーケットリサーチ社によると、2031年までに333億ドルに達すると予測されている。
この動向に先行している地域もある。オーストラリアのジャックフルーツ産業は、アグリフューチャーズ・オーストラリア社が100万ドルを投資し、ジャックフルーツを使った即売可能な製品の開発に着手したことで、急成長を遂げている。ジャックフルーツ栽培に理想的な熱帯気候に恵まれたオーストラリアは、植物中心の代替食肉への需要の高まりに乗じるのに最適な地域である。
ジャックフルーツ・カンパニーの他に躍進しているのが、ジャック&フレンズ社だ。ジャックフルーツとエンドウ豆のタンパク質を独自にブレンドし、ミレニアル世代やフレキシタリアン向けの植物性ジャーキーを製造している。創業者のジェシカ・クウォンのアイデアは、コーネル大学で食品科学を学んだ際に、特にスナック製品におけるジャックフルーツの可能性に気づいたことから生まれた。
現在、ジャック&フレンズはジャック&トム(トマトとポブラノチリ)、ジャック&バーブ(バーベキュー)、ジャック&テリ(スイートテリヤキ)という3種類の植物性ジャーキーで知られている。
最後にシンガポールのカラナ(Karana)社も、アジアのジャックフルーツの力を利用し、加工度の低い代替肉を提供している。これらの製品は現代的で健康志向の消費者に対応し、豚肉の代替品としてジャックフルーツの万能性を強くアピールしている。
この夏の初め、同社のジャックフルーツ・ソーセージとハンバーガーは、植物由来のオプションとしてボデガをアップグレードしたニューヨーク市のコンセプト、プランテガのメニューに初登場した。


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